小学生曰く「僕はベトナム人じゃない」
やっぱりベトナム人の母と日本人の父を持つ小学生の心情、アイデンティティーは複雑です。
父親が日本人ということで、日本人がよく通う幼稚園に通いホーチミン日本人学校に通っているこの小学生の口から「僕はベトナム人じゃない」と聞いたのは複雑な感情になります。
戸籍上は二重国籍であることは読者の皆さんも承知のことですが、本人からすると究極の選択になるのでしょう。
僕はベトナム人なのか日本人なのか。ママはベトナム人、でもパパは日本人。
じゃあ、僕は何人?
自問自答したことでしょう。
最終的に出した答えは「僕は日本人、ベトナム人じゃない。」
そりゃあ、そうでしょう。
幼稚園、小学校と日本人が通う学校で育ったのなら日本人になりたくなります。筆者もベトナム人になんてなりたくないですよ。
学校教育ではベトナム人は下人扱いされますし、子供たちの日常会話の中からもベトナム人をエタ・ヒニンのように扱っていることは簡単に感じ取れます。
※ベトナム社会主義共和国の領土内に設置された幼稚園、学校でのお話です。
子供たちには深い考えはなくても、日本から赴任した両親の言葉の節々にベトナムを軽視する言葉を耳にすることは多く仕方がないのかもしれません。
その結果、「僕はベトナム人じゃない」と言ったんでしょう。
ベトナム人にはなりたくない。
ベトナム人になったら軽蔑される。
日本人はアジア人を軽視し、欧米を中心に物事を考えています。
ご両親だってそうです。赴任先がベトナムだったら肩を落とし、アメリカだったら友達にも自慢できますよね?
社内でもそうです、ベトナムは重要拠点ではないので実力者は派遣しません。どちらかと言うとベトナム赴任する方の多くが左遷か島流しです。
つづく