日本で働けないからベトナムに来た人
「日本で働けないからベトナムに来た人」
昔から、よく耳にする言葉です。
最近でも時々、日本人駐在員が「あいつ見たいな奴は日本じゃ使い物にならない。」「日本じゃ働けない。」などと発言している方にお会いしたりします。
確かに、20年ぐらい前はそういった流れ者みたいな方もいました。
当時、ホーチミンのデタムなどは日本人放浪者の吹き溜まりのようなものでした。
行くあてもなく、誰からも必要とされることもなく、ただ放浪していたら何となく居心地がよかったので、居座っていたデタム。
心の隙間をちょうど埋めてくれたのが、ベトナムだったのかもしれない。彼らはデタムからそれぞれの道を歩みはじめ、今ではベトナムで企業して成功している方、日本に帰って幸せに暮らしている方もいます。
ベトナム事業には成功し経済的に恵まれていたにも関わらず心の隙間は埋まらず、ついには日本に帰国し自殺した方もいました。
日本で働けなかった訳じゃない。
決して仕事ができない人間ではない。
寧ろ、この混沌としたルールのないベトナムで縦横無尽に活躍できる有能な日本人なんてそうそういないだろう。
ここに温かさを感じたから暫くの間、羽を休めていたに過ぎないのだろう。
ただ、ここ最近渡越して来た日本人の若者はまた別の類だと思う。
1年~2年滞在し人生経験を積んで次のステップを目指すという話をよく耳にする。
決してここに長期滞在または永住しようなんて思っていないのかもしれない。次のステップの通過点としてここを選んでいるように思える。
(ちなみに、20年前に渡越した日本人は次のステップ(例えば海外経験を活かして日本で就職)なんて想定していなかったはずだ。)
ベトナムに住む日本人の色も大分変って来たようだ。
つづく