夜逃げがベスト?? 工場閉鎖
このコロナ禍で最悪の事態を想定したいと思います。
コロナ禍で「工場操業停止」、「売上減少」、「生産停止による顧客離れ」、「年内売上見込みなし」、「コロナ疲れ」などなど皆さんご苦労されているかと思います。
最悪のケースとしては、ベトナム撤退でしょう。つまり、ベトナム現地法人の清算、解散、破産手続きでしょう。
多くの投資コンサルは喜んで法人登記は請け負うものの、『撤退』となる清算、解散、破産手続きは苦手であり、経験値が少ないことは否めません。
誰に聞いても教えてもらいない?情報かもしれません。
本ブログでしか知り得ない情報かもしれませんので将来のためにメモしておいてもいいかもしれません。
◇先行き不透明、しかも資金繰りも厳しい、政府の対応に不満。このまま事業継続不可能と決断した場合の最終手段をご紹介します。
あなたにはどのコースが合っているでしょうか。
①体力残ってるけど合理的考えて清算コース
清算手続きは所轄の政府機関(投資計画局、工業団地管理委員会)から始めます。その際、給与の未払いや社会保険料、税金の未払い、つまり税務調査、税関調査、労務調査など全てを行い法的義務を全うしたということが証明されて正式に清算となります。もちろん、所轄の政府機関に届けた時点で税コードの停止となりますのでそれ以降の営業活動はできなくなります。税コード停止の有無は税務署HPで確認できます。
自社の経理または総務スタッフに行わせるか、怪しい法律事務所、コンサルに任せるべきか、それとも大手監査法人にお願いするべきか。迷われると思いますが、できることならデロイトやKPMGなどの専門家にお願いされるべきでしょう。その他コンサルも頑張ってくれますが経験値が浅い点とそれほどプロ意識がなく直ぐに諦めて打開策を探さないのであまり戦力になりません。一番、お勧めKPMGです。やっぱりKPMGのスタッフは気合が違います。
清算手続き最大のデメリット:99%の確率で追徴課税、罰金されます。事業規模などにもよりますが製造業であれば税務調査+税関調査+労務調査が合わさればいくらぐらいになるか予測がつくのではないでしょうか。年商5億円規模の工場であれば、1億円くらいは覚悟すべきでしょう。払えない場合は法的代表者の出国停止となります。
※ここだけの話ですが、袖の下は使えません。当局からすると清算、撤退する企業には情けなどありません。
②もうダメだ破産コース
清算コースと同じような手続きを踏みますが、異なる点は破産するかどうかは「裁判所」が再度監督し再生できないか検討するよう促されます。
離婚手続きと似てますね。そんなことで破産に要する期間は果てしないものになるでしょう。手続きに2年から3年は掛かるのではないでしょうか。
また、この破産手続きは流石に参照する法律が多岐に渡りますので法律事務所にお願いすることになります。これは特段、コンサルなどは必要ありません。ローカルの法律事務所で十分ですし、寧ろその方が経験豊富です。
デメリット:当該出資者の再投資が3年くらい停止されます。出資者及び法的代表者の入国が禁止されます。もし、ベトナム国内に当該出資者が別法人を所有している場合その他の現地法人に影響もあるとかないとか。ここはご自身でご確認ください。一番キツイのは破産て続き+裁判所で3年くらいは見た方がいいでしょう。その間、現地法人代表滞在費及び顧問弁護士、法律事務所などなど一体どれだけ費用が掛かるんでしょう。そんなことしている間にコロナも終わってる??
③無理、何も考えられない夜逃げコース
もう今すぐ帰りたい。お金も時間もない。信頼できるスタッフもいない。頼りになる弁護士事務所、コンサルの当てもない。日本に親会社があるようでないのと同じ。夜逃げしても誰にも迷惑は掛からないのであれば、このコースもお勧めです。
正直に申し上げまして、①と②を選択するべきなのでしょう。ただ、①と②を選択し手続きを完了させる体力(資金)がある会社はそもそも撤退は考えないでしょう。グローバル展開していて、数ある工場の一つであればベトナム工場閉鎖にも労力、時間とお金を使ってもいいでしょう。
①、②を選択できるのは、最低でも年商100億円以上かつ経常利益率8%以上くらいある事業者じゃないとそんな余裕ないです。
当然ながら、①、②を選択したところで諸手続きを完了(納税など)できずに③に移行するパターンもあるでしょう。
デメリット:税務署HPで夜逃げ企業情報など公開しておりませんので、日本で経済活動を行う上で、社会的信用を失くことはないかと思います。ただ、ベトナムで再起することは永遠にできないでしょう。
<まとめ>
世界各国でも脱税行為、未納など本来払わなければならない義務を果たしていない、果たせない企業、個人は非常に多くそれも含めて国税、税務署は動いています。ここベトナムでの外国企業が撤退時に清算手続きを行って綺麗さっぱり納税義務を果たすかと言いますと、、どうなんでしょう。30%ぐらいの会社は真面目に納税してから帰るのでしょうか??筆者の感触では、未納の状態で帰国、つまり「夜逃げコース」を選択される外資(特に韓国)が多いのではと感じています。
「税務調査、税関調査、労務調査」では、法律に照らし合わせて正しく調査されるならまだいいですよ。でも、撤退する企業に対して彼らはハゲタカのように不合理な理屈で企業の財産を毟り取ります。そこには一切の感情はありません。本当にベトナムでここまで頑張った自分が嫌になります。最後の最後でベトナム人の本性を見たような気がしました。