現地採用とは -続編-
先日、現地採用と駐在員を少し比較してみました。
今回は現地採用で働こうと考えられている方向けに参考になれるような記事を書いてみたいと思います。
もちろん、現地採用での経験を活かしその後の人生で活躍される方はいらっしゃると思います。ここではその様な良い面には触れないようにし、悪い面にクリーズアップしていきます。
この記事を読んでも挑戦し続ける貴方はきっと成功するでしょう。
「現地採用」
現地法人の規定により採用される日本人を言う。決して、現地や日本国の労働基準
法等の保護には属さない。一切の権利や保証はないと言っても過言ではない存在。
以前にも紹介しおりますが日本やベトナムの労働法で権利が守られておりません。
現地で採用された正社員の略称ではありません。
給与:日本の最低賃金以下で働かせられる。日雇いより安い!場合が多い。
実際に求人を見てみると月給10万円代も沢山あります。
そこで、ベトナムは物価が安いから案外貯金もできるなんて書いている人材
紹介のホームページを目にするがあまりに無責任。
社会保険等:原則、未加入
一部、ベトナムの法律では外国人労働者も加入が認められてきているが我々
日本人からすると、ベトナムの健康保険に加入してもあの汚い病院に行きた
くないものです。できれば、海外旅行保険で清潔な外資系クリニックに掛か
りたいものです。
日本では厚生年金や健康保険など充実した社会保障制度がありますがそう
のようなものは享受できません。自力で何とかするしかありません??
はい、自力では無理です。病気に掛かったらどうしますか?ご自身の老後は
どうしますか?ご両親を扶養に入れて健康保険に加入させてあげることもで
きません。もし、貴方にお金に余裕があるのであれば上記問題を解決するこ
とはできるでしょう。しかし、現地採用の給与では普通は無理でしょう。
1~2年の限定で社会経験を積むぐらいでしたら我慢できるでしょう。
下の写真ははホーチミン癌病院の廊下です。まるで野戦病院。
住居:原則、会社から住宅手当などなく少ない給与から下宿のような形で個人宅やゲ
ストハウスなどの一室を借りることになります。家賃はピンキリだが、100ド
ルから500ドルくらいが相場ではないでしょうか。
たまに、不動産屋のホームページを見ると家賃300ドルがあったりする。
24時間警備員がいるので女性一人でも安心!と書いてありますが、あり得な
いでしょう。1000ドルや2000ドル超えるコンドミニアムでも危ないのに、家
賃300ドルの物件でキチンとした警備員を雇える訳がない。家主の家族が知人
が警備員の制服を着ている場合が多々あります。物がなくなっても責任なんて
負いませんよ。
交通事情:原則、会社から社用車を与えられることはありません。自力で自宅から会
社まで往復する必要があります。バイクやバスを使うのが一般的でしょう。
ホーチミン市内やハノイ市内などの首都圏の交通量は異常にバイクが多く大気
汚染も世界トップです。もちろん、PM2.5もあります。
この状態でバイクで通勤は大変です。数か月は我慢できるかもしれませんが、
継続して通勤ラッシュをバイク通勤は耐えらないでしょう。
一方、バスはクーラー付のバスも増えて快適になっているようですがスリも多
くベトナム人でも注意が必要なほどです。
できることなら、社用車で通勤したいものです。
食事:金銭的な余裕のない生活で自炊をされる方も多くいます。
ただ、現地ローカルの市場やスーパーで食材を買って料理すると案外、高くつ
きます。結局、ローカルの安い食堂に通うことになるでしょう。不衛生極まり
ない路上の食堂や屋台で毎日過ごすのはいい経験にはなりますが、健康には良
いと言えません。
最近、ベトナムでは中国のように薬物を使った野菜や肉が出回っており安全な
食材を求める動きが強まっています。ダラット産の野菜などがいい例です。
市場価格の3倍はするでしょう。
また、社内での食事会や上司に飲みに誘われることもあるでしょう。
安くても2000円、二次会やカラオケなどに行く場合は1万円近く掛かるでしょ
う。給与10万円そこそこの現地採用で思いっきり楽しむのは無理でしょう。
ローカルの安い屋台で飲んでもいいですが、偽物のビールで次の日頭が痛くて
会社に行けません。
<まとめ>
夢を掴むために現地採用で活躍する青年や、色々な事情で現地採用で働かれている中高年。彼らは毎日何を感じ何を思い描いて生きているのでしょう。
少なからず、金銭的な劣等感に悩まされ葛藤し戦っていることでしょう。毎日のように面会する顧客には年収1千万円を超え何不住なく過ごす日本人駐在員がいます。自分も同じ日本人。どうしてこんなにも格差があるのか。悩む。
他にも人それぞれ思いはあるでしょうが、やはり、共通して言えるのがお金の問題でしょう。
それに打ち勝てるか真価が問われます。
つづく