一部上場企業 ベトナム現地法人社長の裏ブログ

ベトナム裏情報です。公の場では語られない事実を掲載。

税務調査対応できない記帳代行会社

先日、知人の会社で税務調査が入った。資本金も2千万円くらいの小さな工場なので特に罰金も無いだろうと安心していた。


設立5年目であったが、思うように売上も上がらず赤字続きで親会社から毎年1千万円以上借入を繰り返していた。
この社長さんは根っからの技術屋ですので、数のことはサッパリ判りません。でも、設立当初にある日系コンサルから格安記帳代行会社を紹介してもらい、そこへ丸投げしていた。


それが落とし穴でした。


ベトナムに進出した多くの中小企業が大手監査法人ではなく中堅の某〇グローカル等のサービスや紹介で現地ローカル会社を利用することがある。
そこが大変なことになっていたのだ。


某〇グローカルのサービスを利用するなら問題ないです。経営者も日本人で非常に信頼できる方々で構成されています。それを「予算が許さない」という理由で現地ローカル記帳代行会社を紹介してもらうことが多いと思います。それだけはやめてください。最低でも某グローカルにしてください。


なぜでしょうか。


その社長さんは毎月7万円程の記帳代行費用を現地記帳代行会社DH社へ支払っていました。チーフアカウンタントを雇う金もないし、いい人材も見つからないということで某グローカルのアドバイス通りにしたそうです。


それが運の尽きでした。


5年目の税務調査。


調査官から様々な質問や資料を求められた。総務スタッフが窓口となり、記帳代行会社DH社へ問い合わせる形を取ったそうです。提出できない資料も多々あったそうです。そりゃあそうでしょう。記帳代行会社DH社は毎月送られてきた帳票類で淡々と帳簿を作成しただけ。何か問題があっても、それは依頼した会社の責任であり、DH社ではない。契約上もそうなっている。DH社は帳票類に忠実であればいい。


最終的に調査官から帳簿の正確性に欠けるとの判断が下りました。


恐怖の税務調査結果発表。


「帳簿の信用性が著しく損なわれていることから、調査官が感覚的に追徴額を決定。
その額、2千万円。」



DH社にどうにかするよう訴えても税務調査対応は行っていないし、帳票類に忠実に帳簿を作成しただけとのこと、一切責任は負えないと。。。


つまり、DH社に5年間代行してもらった帳簿は社内資料としてはいいかもしれませんが、対税務調査には対応できなかったのです。


だったら、適当な経理を雇っても同じだったんじゃないでしょうか。
後悔しても始まりません。


結局、その会社さんは法人を閉めることにしたそうです。



読者の皆さんもDH社などのローカル記帳代行会社にはお気を付けください。

×

非ログインユーザーとして返信する