アフターコロナでも安心できないベトナム医療
今年に入りベトナム医療事情が最大の危機を向えています。
ベトナム全土の病院で医療物資が不足、これは公立、私立でも同様の事例が発生しています。理由は保健省の政策転換により輸入代理店が海外から物資の調達が出来なくなっている点(通関が切れない)、そして何より入札ルールが厳しくなり各病院が新ルールで入札を実施できず医療物資の購入を抑制しています。購入抑制する理由は日本人には理解しがたいことですが、間違ったルールで入札・購入すると後で処罰されるため病院側は動くに動けない状態が続いています。
〇医療物資が輸入できない理由 (私立、公立共通)
・クラス分類C,D対象製品は流通番号が必須であるが、肝心の流通番号交付が止まっている。
※クラス分類A,B対象製品は輸入可能。
※2021年以前に輸入許可証取得済み製品は2022年12月31日まで輸入可能。
〇病院が入札または他の方法で仕入れできない理由 (公立病院)
・2022年4月1日より価格公開制度の実施
・2022年より卸業者が医療物資共通番号を申請することに変更。未取得の場合は販売不可。
ポイントは大きな政策転換を2022年に一度に施行させたため、卸業者はもちろん各病院も運用方法を理解できず必要手続きが後手に回っている。それでも、新法を熟知し適切に各申請を行っている業者もいるが保健省の対応が遅く必要な承認が下りない事案が続出。
先日、新しい保健省大臣が任命されたので少しでも現実的な運用ができるよう願ってやまない。
このような状況下では多くの命が失われていることは言うまでもありません。
※医療物資の輸入ができない以上、読者の皆さんが通院されるインターナショナル病院でも同じようなことが言えますのでご注意ください。